PumpNews_October_No.88
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向かわなければならないのです。Q:ところで、デンマークでのバドミントンの 位置づけは、どうなっていますか?ケネス: バドミントンは、かつてデンマークでとても人気の高いスポーツでしたが、その後、人気がちょっと落ちてしまいました。デンマークでのバドミントンの競技人口は、5番目か6番目です。バドミントンを国家的なスポーツとしている、例えばインドネシア、マレーシア、中国といった国々とデンマークは凌ぎを削っているわけですが、中国だけでもバドミントンの競技人口はデンマークの全人口(550万人)に匹敵します。こうした観点からみると、アジア諸国にはプロ選手になる可能性を持った人材をより選抜できる利点があると言えるでしょう。Q:デンマーク代表チームのコーチとして、 ケネスさんが特に気にかけているのは どんな点ですか?ケネス: 2013年に、カミラとクリスティナから彼女たちのコーチになってほしいと頼まれました。それまで、私は男子のコーチングを専門にしていたので驚きました。身体的なトレーニングの他に彼女たちがペアとして機能するように一緒に戦略を練り、彼女たちの強みや弱みも話し合っています。一つひとつの試合はもちろん大切ですが、もっと長期的なスパンで彼女たちのキャリアを見るようにしています。それは個人の生き方に関係することですから。Q:日本や日本選手の印象はいかがですか?ケネス: 私が初めて東京に来たのは1997年です。その当時に比較すると、国も人々も外国人に対してよりオープンになっているように感じます。通りを歩きながら、人々のフレンドリーな表情を見るのが大好きです。また日本では年配者に対して敬意が払われていることも、心が温かくなりますね。バドミントンの日本代表チームはこの10年間に大変な進化を遂げました。今ではバドミントン界の「スーパーパワー」です。カミラ: 高橋・松友ペアと戦ってからは、日本でも東京で通りを歩いていると人々に声をかけられるようになりました。クリスティナ: 日本食は美味しいですよね。宿泊しているホテルの近くでお気に入りのレストランを何軒か見つけましたよ。Q:グルンドフォスはこの2年近く、 バトミントンのデンマーク代表チームの スポンサーをしてきました。11月のチャイナ・オープンでは、お二人もグルンドフォスの ロゴ付ウェアを着てプレーし、カスタマー・ミーティングにも参加する予定ですね。カミラ: 私たちは、世界各地でスポンサーの方々やそのお客様とお会いすることをいつも楽しみにしています。皆さんがバドミントンのデンマーク代表チームに興味を持ってくれるのは励みになります。ケネス: バドミントンをやっている若いデンマーク人プロ選手にとって賞金獲得の可能性はとても大きなモチベーションになります。でもそのためには、まずはスタートラインにつくための経済的支援が必要です。カミラ: 私たちペアはその実力が認められたことで、賞金も獲得できるようになりました。しかし、バドミントンのデンマーク代表チームにいる、私たちほど認められていない仲間にとって、プライベートスポンサーの重要性は大きいのです。Q:グルンドフォスは、水を動かし、貯水・洗浄して、世界の最も弱い立場にいる人々に安全な水を提供するという事業の核心を、今後も継続的に発展させたいと考えています。その点を、どうお思いですか?ケネス: グルンドフォスとバドミントンのデンマーク代表チームは、どちらもデンマークにルーツがあります。私たちと同じく、グルンドフォスはグローバルな舞台で自分たちよりもずっと大きな企業と競争しています。事業を継続させるためには、革新的で新しいアイデアに対するオープンな姿勢とともに、つねにベストを尽くす必要があります。チームワークや会社の価値観、そして製品を信じる志の高い社員が皆、同じ思いを共有していることが、大きな原動力になっているのだと思います。ケネス・ヨナセン(43歳)デンマーク代表チーム所属ヘッドコーチ。元プロ・バトミントン選手として活躍後、指導者の道に。2012年のロンドン・オリンピックでは、バドミントン英国代表チーム男子シングルスコーチ。昨年、デンマーク代表チーム・アシスタントコーチからヘッドコーチに昇格。ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2017でケネス ヘッドコーチのアドバイスを受ける両選手5PUMP NEWSバドミントンのデンマーク代表チーム所属の女子ダブルスペアは、世界ランキング4位(2017年9月現在)。2016年のリオデジャネイロ・オリンンピックでは、日本代表の高橋・松友ペアと決勝戦で戦い、激戦の末、銀メダルに。その3週間後に開催された「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン2016バドミントン選手権大会」では、今度はデンマーク・ペアが日本チームを破り、雪辱を果たした。

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