PumpNews_Apr_No.86
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横山さん。シアタールームの次回の上映についてたった一人にお話ししただけで、お知らせを貼り出す前に映画のタイトルが大勢に伝わっていた、ということもあるそうです。まさに温泉コミュニケーションです。その天然温泉大浴場「緑山の湯」は、弱アルカリ性のナトリウム炭酸水素塩泉。敷地内の地下1200mから汲み上げられている、関東地方に多く見られる「黒湯」と呼ばれる褐色の温泉水です。最高に省スペースで 静かなポンプ室「温泉の掘削には、約4カ月かかりました。本来は24時間体制で掘削するのですが、ここは住宅地ですから近隣の方々と協議した結果、昼間だけの作業としたためです」と当時を振り返るのは、ドリコ株式会社の高橋さんです。「その際の経験から、ポンプは閑静な住宅地に適した極力静かな製品を選ぼうと思っていました。またポンプ設備用の敷地が狭いため、なんとかコンパクトに設計・設置をしたいと考え、ファーストチョイスとしてすぐに思い浮かんだのがグルンドフォスのポンプです。弊社では20年以上のグルンドフォス製品の使用実績があり、お互いのノウハウと課題解決を参考にして、完成度の高い施工方法や運営方法を積み上げてきたという信頼感があります。小さめのサイズでもパワーがありますし、立形で省スペースですから、メンテナンススペースにもゆとりをもてました。事実、過去最高に省スペースなポンプ室ですよ」と胸を張る高橋さん。「また温泉ポンプ設備室は屋根で塞いではならない規則なのですが、三輪緑山地区は条例で騒音は昼間でも敷地境界で45~50dBと定められているため、通常よりも厚みと高さのある擁壁(外壁)を設けています。ポンプそのものがとても静かなので、まったく運転音の問題はありませんね」と高橋さんも横山さんも笑顔に。大浴場「緑山の湯」に汲み上げられるのは1日に29トン。源泉は敷地内からグルンドフォスの水中ポンプ1台で汲み上げ、鉄・マンガンを除去、そこから送湯管、貯湯タンクを経由して給湯されています。「温泉水としては素晴らしいのですが、褐色が濃くて浴槽の段差が見えづらいため、シニアの方々の安全を配慮して適宜加水しています。常に循環、ろ過を行い、快適な温度と湯量、水質を維持。褐色の濃度が日々変化するため、居住者の方々には色の違いを面白がられたりもします」と話す横山さんは「温泉はこの施設の中心ですし、それを支えるポンプの製品力にも期待しています。また高橋さんたちはフットワークがよく指示も的確なので、運営する立場として安心感が大きいですね」と良好な信頼関係を築いていることを語ってくれました。横山さんは「デュオセーヌ緑山を選んでよかった」と居住者の方々に喜んでいただくことを目標とし、温かなコミュニケーションの場をつくりたいと考えています。「5年、10年と経ったとき、設備にも課題が出てくるはず。そのときにしっかりと対応できる心構えと準備をしたい」と将来にも目を向けています。高橋さんは、その思いに応えるように「現在データを取っているところですが、省エネにもかなり貢献するはず。少しでも経営面でのサポートになればと思っています。今後もよりよい協力関係を築き、そのお手伝いをしたいです」と語ってくれました。敷地内で静かに回り続けるグルンドフォスのポンプの、これからの貢献にも期待が高まります。上: 居住者の方々へ、たっぷりの温かさと心地よさを供給しているHydroとCRN下: 近隣住民の方々も気づかないほどの静かなポンプ室で力強く温泉水を汲み上げるSP上: ホテルのようなゆったりしたロビー下: 近隣の風景に調和した落ち着いた外観国土管理株式会社デュオセーヌ緑山ディレクター横山由幸さんドリコ株式会社資源開発事業部温泉設備部営業グループ係長 高橋啓太さんPROJECT納入先:デュオセーヌ緑山導入製品:深井戸水中ポンプSP、自動給水ユニットHydro MPC、立形多段うず巻ポンプCRN用途:温泉水汲み上げ、温泉大浴場への給水 7PUMP NEWS

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