PumpNews_Apr_No.86
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CASE STUDY 1栽培で、いちごの育成比較と生育状況のデータを取っているモニターハウス(栽培実験棟)があります。RO水は高分子RO(Reverse Osmosis:逆浸透)膜を使って作られる限りなく純水に近い水。工業用に多く使われており、地球環境への配慮や水不足の解消、水道代のコスト削減に大きく貢献するといわれています。轍産業株式会社、産業機械事業部の吉野さんは、このRO水にいち早く着目した一人でした。「いちご栽培にかかわったきっかけは東日本大震災の支援です。当社の社長が被災地の方々と交友関係があったことから、震災直後から援助を行いました。その際、津波で地下水の塩分濃度が高まり被害を被っているいちご農千葉県千葉市緑区、なだらかに耕作地が広がるこのエリアには様々な観光農園が点在しています。この時期の観光客のお目当ては、いちご狩り。横田ファームもその一つです。入った瞬間に甘い香りに包まれるハウスでは、いちごが30分間食べ放題で、併設しているカフェではクレープやジュースも販売。オリジナルのピザ釜を使って「いちごピザ」作り体験(事前予約制)もできるため、週末や休日には多くの家族連れなどが訪れています。震災支援をきっかけに 本格化したRO水の活用この横田ファームにはRO水を使った養液家の支援もしてくれないかと相談があったのです」と語る吉野さんには、以前にRO水を農業用に使った経験がありました。その当時すでにRO水のシステムはありましたが大型で、とても農家では手が出せる金額ではありませんでした。そこで農作物向けに小型の装置を自主製作したのです。その経験は宮城のいちご農家支援で役立てられ、それを機に轍産業ではいろいろな水の問題で困っている方々の役に立ちたいと、本格的にROシステム事業を開始しました。「宮城の支援以降にもいちご栽培にまつわる問い合せがあり、紹介してもらったのが横田ファームです。現在、農業用被都心から高速で約1時間、千葉市内からも約30分の距離にあり、季節の果物狩りと農業体験で親しまれている横田ファーム。のどかなハウス農場で今、いちご栽培の可能性を広げる実験が行われています。それをサポートしているのがグルンドフォスの立形ポンプでした。横田ファームモニターハウスいちご栽培の可能性を広げるROシステムで静かに力強く水を送るグルンドフォスCRN轍産業株式会社産業機械事業部吉野正浩さんPUMP NEWS4

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