PumpNews_Janu_No.81
9/12

証言でつづる30年その3いらしたというのです。これは縁ですね」当時を知る社員の方の話から、グルンドフォスポンプの登場は国産メーカーには脅威だったかもしれないと笹森社長は話します。「グルンドフォスの製品はポンプ自体がとても軽いため、一人でも持って歩けたそうです。当時オールステンレスの製品はほとんどなく、国産メーカーの製品は重くて、簡単には運べなかったのです。軽くて扱いやすいポンプは斬新だったと聞いています。性能もそうですが、時期も良かったのだと思います。青函トンネル掘削事業というニーズにちょうどマッチしたといえるでしょう」青函トンネルの作業では深井戸ポンプを100mから200mの深さのトンネル内へ設置し、掘削する際に流れ出てくる水を地上へ汲み上げていました。ところが掘削による土や砂を含んだ水のために2~3週間でポンプがロックしていたのです。事業スタート時は使えなくなったポンプが山の上にごろごろ転がっているほどだったといわれています。「グルンドフォスのポンプを起用してからは、作業も効率的だったはずです。しかも非常に厳しい状態の掘削水に2~3カ月耐えた。その結果みんなが納得し、噂も広まり浸透していったと聞いています」と、笹森社長も納得の様子。◆ 速さと正確さで顧客満足を株式会社東北ポンプシステム販売の社名は、実はグルンドフォスの社員がアドバイスし、つけたもの。当時の担当者が、これからは製品販売だけでなく、システムを売る時代になると提案したのです。「各時代のグルンドフォスの営業担当の方々がいなければ、当社はなかったと思いますよ。何かあったときに厳しいのがメーカーのはずですが、グルンドフォスの営業の方とは折り合青森を中心に東北各地に営業所を構え、深井戸用水中ポンプの販売を中心に全国的にビジネス展開している株式会社東北ポンプシステム販売。ガデリウス株式会社の時代からのお付き合いは、人と人との縁でつながれ、長く強い信頼関係で築かれていました。◆ 軽くて強いポンプの登場それはまだ、一般のポンプ販売会社には、グルンドフォス製品が知られていなかった時代でした。ちょうど青森では青函トンネル掘削事業が始まり、この一大事業を機に拡販を試みていた会社は多かったといいます。グルンドフォスの担当者は、まさにそのタイミングで青森へやって来て、メンテナンスもできる会社を探していました。そして飛び込み営業で訪れたのが、東北ポンプシステム販売でした。その頃は、先代社長が会社の立て直しに奔走していた時期で、現社長の笹森様は一般企業に勤務していたそうです。「私が初めてグルンドフォスと知り合ったのは、先代社長の父が交流会に参加できず、代役を務めたときです。まだ私はポンプも業界もよく知らない頃でしたが、会場の雰囲気や熱気に、すごい会社だな、と思いました。そんな会社の担当の方が当時、東北の小さな会社に飛び込みで営業にいがよいというのか、当社との信頼関係が確立しています」と、笹森社長は語ってくれます。「当社が苦労していたときにも、決して見放さなかったのがグルンドフォスの方々です。新人社員の方が、当社に研修にいらっしゃることもあるほどですよ。そして、お客様との信頼関係もまた深いものとなっています。いま、東北ポンプシステム販売の営業範囲は東北に限らず、取引業者の営業所があれば全国どこへでも出かけます。昨日の訪問先から再度要望があれば、また次の日も行く。無駄な動きかもしれませんが、対応の早さにお客様は喜んでくださっています」会社の内外ともに人間関係を大切にするのは、先代社長から受け継いだ姿勢です。お客様を大切にするためにも、社内でもより良い環境を心がけており、もっとコミュニケーションを深めていきたいと笑顔を見せる笹森社長。「当社の営業は独自に考えて、自分で営業し、自ら活動しています。それが業績を伸ばしてきたと思います。社内でのよい信頼関係はそうした活動をサポートします。また、速く、正確に仕上げることは当社の自慢です。現場を見て人材も育ちます。東北の冬の現場はとても厳しいですが、苦労があるだけに仕上げた甲斐があります。グルンドフォスには今後さらに、在庫や部品面でフレキシブルな対応をお願いしたいですね。ビジネスのスピードは拡販につながります。今後もよい信頼関係を期待しています」顧客のリピート率が高いという東北ポンプシステム販売のビジネス。これからも人と人、会社と会社の縁を大切に、フレキシブルに活躍を続けていくことでしょう。縁と絆で築いた水中ポンプビジネス株式会社東北ポンプシステム販売 代表取締役笹森 明人 様ともに苦労を分かち合った時代9PUMP NEWS

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る