PumpNews_Janu_No.81
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日欧協力で経済関係強化へ理工系学生のためのプログラム人材育成交流は貢献の場を広げるEUROPULSE欧州と日本との間では輸出入や企業協力をはじめ、さまざまな交流が行われていますが、人材交流として1996年から開始されたプログラムをご存知でしょうか。「ヴルカヌス・プログラム」と銘打たれたこの人材交流は、日本と欧州双方の学士または修士課程に在籍する理工系の学生が、卒業前に日本から欧州企業へ、また欧州から日本の企業へ参加し、実地研修を行う奨学金付きのインターンシップ・プログラムです。日本で研修する欧州の学生向け(ヴルカヌス・イン・ジャパン)に欧州委員会が、欧州で研修する日本人学生向け(ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ)に経済産業省が、渡航費や交通費など奨学金資金を提供しています。ヴルカヌスとは、ラテン語で鍛冶屋の神のことをいうそうで、まさに「鉄は熱いうちに打て」をそのまま体現するようなネーミング。若いうちにプログラムに参加してもらうことで、日欧間の経済交流を担う人材を育てることを狙いとしています。欧州ではインターンシップが単位、学位取得の条件となっている大学が多く、また就職する際にも、インターンシップの実績は非常に重視されているようです。2015年で19回目を迎えたヴルカヌス・プログラムは、これまでに日本から359名(2015年4月現在)の理工系学生を欧州へ派遣し、逆にEU学生からは毎年800名程の応募があり45名程度が来日します。いずれもインターンシップ終了後に受け入れ企業での就職が決まるケースも珍しくないといいます。受け入れ企業にとっては、① グローバル戦略への活用② 国際市場における人的ネットワーキングの構築③ 優秀な戦力・人材の確保④ 異文化コミュニケーションによるシナジー効果⑤ 企業の社会的貢献といったメリットがあり、企業の規模によらず、より多くの学生たちと大学にアピールでき、研修を終えた人材の紹介を受けることも可能です。日欧双方が技術協力を行い、経済関係の強化を図るためのこのプログラムは、日欧の経済関係に必要な人的ネットワークを作り上げてきました。若く優秀な研修生を受け入れることで、企業側は彼らの学んできた新しい技術を素早く事業に取り入れることができ、学生たちにとっては貴重な実務体験とスキルアップを狙えます。若く熱いうちに鍛えられた学生たちの貢献できる場が、日欧で広がるよう期待しましょう。http://jp.grundfos.com

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