PumpNews_Dec_No.77
5/8

地下階の機械室には、5つのターボ冷凍機と4つの蓄熱槽を配し7℃の冷水、44℃の温水、13℃の中温冷水、37℃の低温水と、テナントと施設に合わせた温度供給を行っています。「次に、熱回収システムです。45℃の排熱回収ダブルバンド式ターボ冷凍機の採用で、冷房廃熱をホテル等の暖房熱源として利用したり、汎用ターボの冷凍機冷却水(39℃の中温水)をオフィス暖房に利用するなど、無駄のない複合用途として活かしています。さらに6,700tを誇る大規模な蓄熱槽熱源システムでは大深度のシリンダー型蓄熱槽に加え平型連結多層型蓄熱槽を設置しました。安価な深夜電力で熱を貯め、それを昼間に供給する。経済性もさまざまな方法で追求しています」設備設計担当として、関輪さんの説明にも熱がはいります。省CO2ビルとして徹底的にスペースの有効利用をも考えている虎ノ門ヒルズでは、駐車場のらせん状スロープの中心や丸形の柱もシリンダー型の大型蓄熱層として活用しています。その深度は約30m、日本でもトップクラスです。* LOBAS = Low-carbon Building and Area by Sustainability 培ってきたデータ実績で 東京をリードするオフィスづくりを「中温冷温水を採用した空調システムを実際にテナントビルに採用したのは初めてだと思います。私たち運営の現場が常に意識しているのは、どうやったらお客様に快適な空間を提供しつつ、コストを下げられるかということです。テナントビルですので快適性は必須です。システムの採用は今まで私たち森ビルが培ってきたオフィスビル運営のデータ実績からも運用可能と判断した結論です。森ビルは、テナントビルを自社管理し、必ず社員を常駐させています。そのためお客様の声も直接、タイムリーに聞け、細かいことまで状況を把握できるというメリットがあります。また、そうしたデータを吸い上げ管理部と設計部で情報共有し、お互いフィードバックして新しい物件へ活かしていく体制があります」そう語るのは、管理事業部 ビル管理部 虎ノ門ヒルズ管理グループ課長の生井さん。「特殊、あるいは複雑なシステムにすることによって、やはり管理コストもかかります。しかし時代の流れはさらに省CO2へ向かっており、国も東京都も積極的に取り組んでいます。虎ノ門ヒルズは注目度も高く、私たちも協議を重ねながら率先して東京をリードしていくオフィスづくりをすべく、施設管理にのぞんでいます」虎ノ門ヒルズの高層階にはオフィスの他にホテル・住宅があり、屋上の高架水槽への揚水が必要です。揚水用には高揚程に幅広いラインナップのグルンドフォスのポンプが18台採用されました。前段・後段、ユニットに組まれたCRN直列タイプが一気に屋上の高架水槽まで汲み上げており、315mの高揚程を実現しています。グルンドフォスのポンプは既存の製品で対応でき、ユニットとしての組合せが容易で特注する(上から)ターボ冷凍機用冷却水ポンプTP。冷水二次ポンプCR。冷水放熱一次ポンプTP必要がなかったことも採用理由の一つでした。オフィス・ホテル・住居と、階層・用途それぞれにあわせた供給に、高い設備応用力で応えています。お客様のサービスのために 容易なメンテナンスを「これだけの規模のビルになると、空調用・衛5PUMP NEWS

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る