PumpNews_Dec_No.77
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CASE STUDY進を目指しています。またそこに集う人々と環境への配慮にも積極的に取り組み、敷地内には約6,000m2もの広場を設けて積極的に緑化を図り、北側には歩行者がゆったり歩ける舗道状スペースを取るなど、屋外空間としても快適です。省CO2への高い意識で採用された施設整備には、「環境共生型高次複合拠点」としての新しい試みがあり、計量化・見える化などの画期的なシステムを採用しています。とりわけ、東京電力とコラボして研究に取り組んだ、LOBAS*と名付けられたスーパーヒートポンプシステム(超高効率熱源)は画期的です。設計統括部 設備設計部 設備設計グループリーダー、関輪さんによれば、「第1の特徴は中温冷温水を利用した空調システムです。一般的なビルでは、冬の暖房時には45℃、夏の冷房には7℃程度の熱源を使います。しかし虎ノ門ヒルズでは、あえて温水温度を下げ、冷水温度を上げて動かしています。一般家庭でもエアコンの温度を1℃上げ下げすることで、かなり節電になることはご存知だと思いますが、高層ビルにおいても高い省エネ効率が期待できます。私たちは37℃の低温水と13℃の中温冷水を使うことで、高COP(成績係数)運転を実現し効率化を図っています」そこには空調用だけで、48台ものグルンドフォスのポンプも省エネ運転を支え、約10万m2の全オフィス空調をまかなっています。2014年6月11日、期待と新構想を集結した超高層複合タワー、虎ノ門ヒルズがオープンしました。新橋・虎ノ門地区の再開発・道路事業が「環状第二号線計画」としてスタートしたのは、戦後間もない1946年のこと。この一大プロジェクトは、時代の流れと都市の成長の中で変化を続けました。1989年には新しく制定された立体道路制度により道路上の建築が許可され、都市づくりは多様性を見せます。虎ノ門ヒルズは地下1階部分に環状二号線を抱え込む道路一体建物として、2002年に計画が決定。環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業として、2011年に着工されました。約3年後、地上52階、地下5階、延床面積244,360m2のスタイリッシュなビルは、オフィスを中心に店舗・住宅・ホテル・カンファレンスを要する超高層複合タワーとして新しいランドマークとなったのです。スーパー省CO2ビルを目指し 新開発したLOBASシステム虎ノ門ヒルズが数ある高層ビルの中でも特徴的なのは、道路の上に建設され敷地を有効利用していることだけではありません。ホテルやカンファレンスは文化交流の場として国際都市東京の一翼を担い、地元への貢献・還元の推構想から実に68年。「環状第二号線新橋・虎ノ門周辺地区整備計画」のランドマークとして開業した虎ノ門ヒルズ。新時代のロールモデルとして徹底した省CO2対策を実践しているこの超高層複合タワーにもグルンドフォスのポンプが60台以上採用され、快適性を支えています。森ビル株式会社地下階から地上52階まで315mを一気に揚水都心の新ランドマークを支える立形ポンプ設計統括部 設備設計部 設備設計グループリーダー 関輪 一弥さん管理事業部 ビル管理部虎ノ門ヒルズ管理グループ 課長 生井 良文さん管理事業部 ビル管理部虎ノ門ヒルズ管理グループ リーダー 野村 勝さん省エネルギー効率を支えるオフィス空調用ポンプTPPUMP NEWS4

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