PumpNews_June_Vol.71
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2012年度のグループ売上は好調記録を更新2012年度のグルンドフォスグループの売上高は、昨年比6.7%増となる226億DKK※(3955億円)となりました。税抜きで19億DKK(332.5億円)の利益を上げています。研究開発への投資は14億DKK(245億円)と高いレベルを維持し、有利子実質預金も26億DKK(455億円)と高く、過去4年以上を通して50億DKK(875億円)ほど改善したことになります。自己資本比率も65.3%に上昇しました。「いくつかのマーケットが不調だったにもかかわらず成果を上げられたのは、組織の効率化と新しい製品・技術の提供によるところが大きい」と、グルンドフォスグループ社長のカーステン・ビヤオは話します。2012年初頭には、高効率を誇る循環ポンプALPHA2とMAGNA3を発売。またスマートフォンやタブレット端末を使って外出先からもポンプにアクセスできる、モバイル専用アプリGRUNDFOS GOのサービスも開始しています。「こうした新製品への反響は高く、業界の世界的リーダーとしてのポジションを、より強固にする一助となっています」とビヤオは述べます。グローバルな視点から成長度合いを見ると、ドイツ、デンマーク、イギリスを含む西ヨーロッパで緩やかな伸びが見られるほか、ロシアを中心とした東ヨーロッパでも売上を伸ばしています。北米も好調で、32%の成長を遂げています。中国での売上も好調で、マレーシアやタイなど他のアジア市場は2桁の成長を記録。中東も順調で、19%の伸びが見られます。好調の土台には、グループ全体の姿勢があるとビヤオは言います。「常に新しい可能性を探し、それを具現化してお客様の利益に結びつける。その姿勢が、グルンドフォスグループのビジネスの指針です。2013年は、さらに思い切った投資で新製品を市場に投入していきます。成長著しいインドをはじめ、アジア諸国、アメリカなどを視野に入れ、ますます飛躍していきたいと思っています」※ 1デンマーク・クローネ=17.5円(2013年5月現在)環境活動に新たな目標グルンドフォスグループは、持続可能な社会の確立を念頭に、環境フットプリントの削減に尽力しています。国連グローバル・コンパクトのCEOウォーター・マンデートや、気候変動に関する作業部会にも参加しており、サプライヤーと会社内部を含め、すべての関連業務を対象として活動しています。CO2削減の具体的な目標は、2008年の排出量を超えないこと。一方で、事業の成長に妥協はしません。2012年は、19%のプラス成長を達成しつつ、CO2排出量は2008年比17%減に成功しました。また2012年は、グローバルなウォーター戦略も打ち立てました。エネルギーと環境にやさしいソリューションを通し、環境への負荷を減らす戦略です。具体的には、ALPHA2などの暖房循環装置やSQフレックスユニットに代表される、ソーラーパワーを動力源とする水供給システムの普及に尽力。2025年までに、2008年比で水の消費を50%削減することを目標に、活動を展開しています。これまでの年月に感謝を込めてすべてのことには終わりがある̶̶カナダの歌手、ネリー・ファータドが歌っていた通り、人生には別離の時期が訪れます。時にそれは悲しく残念なことですが、次の段階に進むためには避けられない試練です。6月末をもち、私はグルンドフォスポンプ株式会社の社長職を辞任し、新たなチャレンジに進むこととなりました。2008年に代表取締役社長の任を受けてからの5年間は、私にとって、非常に実りの多いかけがえのない時間でした。日本での体験はどれも鮮烈で、企業人として、そして一個人として貴重な財産となっていることを実感しています。振り返ると、多くのドラマチックな出来事やチャレンジがありました。就任間もない時期には、リーマンショックが引き金となった深刻な景気後退に対峙しなければなりませんでした。そして難関を突破し、ビジネスが再び安定してきた矢先の2011年3月、東日本大震災が起こったのです。震災は、日本のあらゆる側面に影響を及ぼしました。グルンドフォスポンプ株式会社も例外ではなく、ビジネスそのものへの影響はもちろんのこと、精神的な打撃も大きなものでした。しかし国籍や性別、年齢に関係なくすべての人が力を合わせ、互いに思いやりを示しながら立ち上がろうとする姿は、決して忘れることができません。困難に直面した時にこそ、人の本質が現れると言われます。歴史上類を見ないほどの災禍に対し、人々が示した勇気と団結力に、私自身多くのことを教えられました。グルンドフォスポンプ株式会社のスタッフとマネージャーの信頼ある仕事にも、賛辞を贈ります。世界中を見渡しても、日本ほど高品質で誠実なサービスを提供している国は、そう多くはありません。そうした仕事を継続できるのも、グルンドフォスをご愛顧いただいているお客様の温かいご支援とご協力があるからこそと、心より感謝しております。今後は、後継者の白川英夫へとバトンを渡します。この5年間、皆様が私を支えてくださったように、どうぞ白川をサポートください。彼なら、きっと会社をさらなる飛躍・発展に導いていくに違いないと確信しています。最後に、日本のユニークな視点から生まれる高品質なサービスと、さまざまな楽しい思い出に、心から御礼申し上げます。私見ではありますが、アジアの中で日本以上に住みやすい場所はないように思います。そして今後、世界中のどこに行ったとしても、日本の食べ物が恋しくなることは間違いありません。末筆となりましたが、皆様の会社が今後ますます発展されますよう、心より祈念いたします。これまで本当にありがとうございました。Message from the Presidentグルンドフォスポンプ株式会社代表取締役社長ピーター・ビストラップ海外NEWS海外NEWS6月13日に開かれた社長就任披露パーティにて。販売店の方々にこれまでの感謝の思いを伝えるピーター・ビストラップPUMP NEWS2

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