PumpNews_Mar13_Vol.70
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中央工学校にポンプを寄贈未来を担う学生に確かな力をNEW APPROACHJR王子駅。高架を走る京浜東北線の下を、都電がなつかしい音を響かせて行き交います。駅から徒歩数分、公園や神社に囲まれた中央工学校。第64・65代内閣総理大臣を務めた田中角栄氏(1936年同校卒)が校長の任に就いていた同校は、これまでに10万人を超える卒業生を輩出しており、関連業界に確かな礎を築いています。同校が教育において重視しているのは、人間性の涵養です。その一環として、長野県軽井沢に設けられた研修所では、年に一度、全学科の生徒たちが2泊3日の集団生活を実施しています。「マナーや社会人としての心構えなどを考えながら生活する中で、学生は自分の方向性を見つけていきます」と中台先生。そうした教育と共に、もう一つの柱となっているのが技術力の習得。授業では、実践に重きを置いていると言います。「知識に偏りがちな大学生と比べると、中央工学校の卒業生は即戦力になるという評価を、就職先からいただいています」そうした教育実践を支えているのが、充実した設備機器類です。グルンドフォスが寄贈したのは、ポンプの構造が見えるようにカットしたCRNとNBG。これらのポンプは設備実験室に設置され、建築系の学生なら誰でも触ることができます。現役技術者でもある講師の小林先生は「授業では横形ポンプが中心で、立形ポンプは教科書には載っていません。ただ、現場の活用率はどんどん増えていることを教えたかった」と言います。また中台先生は、「授業は基本と新規技術のバランスが大事」と話します。「授業でこうした実物を使うことは、非常に有効です。カタログや写真と違って大きさや重さなどを実感でき、設計スキルの習得にダイレクトにつながります」こうした教育方針は、立形ポンプについてはもちろん、会社の認知度を高めたいというグルンドフォスの思いとも合致しました。「人材不足の設備業界では、求人は今後も増えていく。それに対し、私たちは設備技術者であっても建築まで理解できる人材を育てていきたい」と中台先生は語ります。グルンドフォスにとって今回のようなおつき合いは初めてでしたが、今後はこれを機に、企業活動に新しいフィールドが生まれるかもしれません。中央工学校 建築設備設計科 中台 淳一先生中央工学校 建築系講師 小林 仁三先生設備実験室に配置されたCRN(左)とNBG(下)。給排水、空調の配管やユニットが組まれ、学生たちが実際に触れることで専門知識や技術を効果的に習得できる1909年に創立され、100年余の歴史を誇る中央工学校(東京・北区)。実践的な職業教育と高い就職率で評判の同校に、グルンドフォスが、教育用設備としてCRNとNBGを寄贈しました。中台淳一先生、小林仁三先生のお二人に、中央工学校の魅力やポンプの活用方法などをうかがいました。PUMP NEWS6

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