PumpNews_Dec12_Vol.69
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PROJECTフォスの深井戸用水中ポンプSP30。ステンレススチールが標準仕様のSPシリーズは、温泉のような腐食性の高い用途に最適で、全国各地の温泉で使用されています。ポンプは24時間途切れなく稼働し続ける必要があり、その信頼性は重要なポイント。「グルンドフォスポンプは長年利用しています。故障やトラブルがほとんどなく、アフターフォローも細やか。安心してお客様にお勧めしています」そう笑顔を見せるのは、株式会社NNCエンジニアリングの設計係長、阿部一也さん。雪椿の里の施工を手がけ、温泉掘削のプロフェッショナルとして豊富な実績を持つ同社にとって、グルンドフォスポンプは心強い相棒のような存在だといいます。「豊富なラインナップも、グルンドフォスを選ぶ大きな理由。弊社は温泉や水井戸などの地下資源開発分野が専門ですが、同じ温泉掘削でも施設によって大きな違いがある中で、くみ上げ量と水位に応じて的確なものを選べ、とても助かっています」コントロールパネルはMP204を採用。モータの状況を瞬時に確認することができ、お客様へのポンプの説明やメンテナンスの提案に役立てています。掘削の中では、深部の地質が非常に固く、工期が長引いてしまうというハプニングもありました。そのため、施設がオープンした後に新温泉へ切り替えることに。試運転が充分に行えず、各所調整も利用の合間を縫ってしなければなりませんでした。そんな状況の中でも「ポンプの稼働に問題はなく、大きなトラブルはありませんでした」と阿部さん。グルンドフォスポンプへの信頼を、より一層強めていただいた様子です。省エネルギーをコンセプトに同施設における温泉の活躍の場は、入浴設備だけにとどまりません。「温泉の恵みを受け、省エネルギーというコンセプトを徹底して実行しています」と理事長が語る通り、くみ上げたお湯は施設中であますところなく活用されています。まず、全館に完備された床暖房。設計当初は共有スペースだけの予定でしたが、湯量が豊富だったため、利用者の個室すべてに引くことができました。またファンコイルユニット(FCU)にも活用。施設内のあちこちのFCUに温泉が通水され、その風が館内を温めています。入浴、床暖房、そしてFCUに使用されたお湯は廃熱回収槽で熱交換され、シャワー水の予備加熱に使われます。そして最後に、施設に併設されているいちご栽培ハウスと庭の貯水池へ。「いちごは、完熟したら利用者さんたちのおやつとして食卓に並びます。また貯水池では錦鯉の稚魚を育成中。育ってくれば、散歩中はもちろん2階や3階から見下ろす風景も楽しいものになるでしょう」満面の笑みを見せる理事長ですが、その夢はまだまだ膨らんでいます。現在はバナナやマンゴーを育てるハウスを建設中で、さらには、隣の敷地に日帰りできる公共温泉をつくる計画も進行中だといいます。「公共温泉があれば、訪れる方も増えるでしょう。地域が一体となって発展できるよう、これからもNNCエンジニアリングさんの助けを借りて施設を成長させていきたいですね」夢を叶える縁の下の力持ちとして、グルンドフォスポンプの活躍の場も広がっていきそうです。(左)木の風合いに満ちた一般浴室。弱アルカリ性単純温泉のかけ流しが楽しめる(右)SPによってくみ上げられた湯はタンクに溜められ、風呂のほか暖房などに利用されている。タンクのデザインは施設外観に合わせたNNCエンジニアリングのオリジナル社会福祉法人 八海福祉会 理事長 若井 博さん株式会社NNCエンジニアリング設計係長阿部 一也さん制御盤内にはMP204が取り付けられ、電動機を保護している納入先: 特別養護老人ホーム 「雪椿の里」導入製品:深井戸用水中ポンプSP30、 MP204用 途:温泉源泉のくみ上げ5PUMP NEWS

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