PumpNews_Sep12_Vol.68
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濃尾平野の北西、神戸(こうど)町に約6万坪の敷地を擁する東レ株式会社岐阜工場。従来の主力製品にとどまらず医療や環境など幅広い分野の製品づくりに取り組む東レにあって、同工場はポリエステルフィルム「ルミラー」などを製造する重要拠点です。世界初の本格的人工皮革「エクセーヌ」は、NHKで取り上げられたことも。また、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムを製造しているのは、世界でも同工場だけです。全国に12ある東レの事業場・工場の中で売り上げ上位を誇る同工場に、ポンプ省エネ診断を経てグルンドフォスのインライン型単段うず巻ポンプTP2台、インテリジェント自動給水装置Hydro MPC一式が導入されました。井戸からくみ上げた水を1冷水、それを再利用する際の水を2冷水と同工場では呼んでいますが、グルンドフォスのポンプは2冷水用として採用されました。ポンプ省エネ診断で多角的なメリットを実感同工場がポンプ省エネ診断を依頼したきっかけは、既存のポンプの老朽化でした。しかし「ただ取り換えるだけでなく、コストダウンと省エネを図りたい」というのが、ポンプの担当部署である工務保全室の動力掛長、水野行康さんの考えでした。そこでさく井関係で以前から付き合いの深かった村木鑿泉探鉱株式会社の専務、村木正人さんに相談。ポンプもグルンドフォスのこともよく知る村木さんですが、最初は「特定のメーカーにこだわってはいませんでした」と言います。「しかし水野さんと話をしてゆく中で、インバータが付いているだけでは面白くないということになりまして。じゃあ、ポンプ省エネ診断をしてくれて、細かな制御もできるグルンドフォスのポンプを検討してみたらどうかとお薦めしたのです」早速ポンプ省エネ診断を申し込み、運転状況とポンプの使用効率を調査・分析。その結果出された、最適なポンプに入れ替えた際の電力の削減効果に水野さんは強い興味を持ちます。さらにグルンドフォスの説明を聞くうちに、制御機能の高さに加え、かなりのコストダウンが実現できることも分かってきました。「インバータ付のユニットタイプなのに、コスト低減が可能だということで心が動きました。検討するうちに、値段とモノがきっちりかみ合っているという実感が湧き、導入を決めました」と水野さん。また動力掛の野々原優さんは、「Hydro MPCはインバータが汎用品で、メーカーを選ばないのも保全面で魅力でした」と言います。微妙な調整が可能なシステム今回岐阜工場が導入したシステムでは、基本流量をTPがカバー。それ以上の流量が必要になった場合はHydro MPCが調整します。季節によって必要な水量が大きく変化する同工場にとって、制御性能は重要なポ イントでした。導入したHydro MPCにはポンプが4台装備され、回転数や台数によっ て細かな流量変化に瞬時に対応します。「大きなポンプにインバータを付けるという他メーカーとは、制御の考え方が違う。細かな調整がしやすく、生産活動に必要な水や電気、空気を1円でも安く送りたいと願っている私たちにとって、最適でした」と水野さん。従前のシステムでは、4時間に1度作業員が巡回して監視しなければなりませんでした。新システムでは、Hydro MPCが自PROJECT納入先: 東レ株式会社 岐阜工場導入製品:インライン型単段 うず巻きポンプ TP2台、 インテリジェント自動給水装置 Hydro MPC 1式東レの中でも、特徴的な製品づくりで売り上げ上位を誇る岐阜工場東レ株式会社 岐阜工場工務保全室 動力掛野々原 優さん村木鑿泉探鉱株式会社専務取締役村木 正人さん東レ株式会社 岐阜工場工務保全室 動力掛長水野 行康さんインバータを自動制御し、設備の負荷とポンプ特性に応じて最も効率的な運転を行うインテリジェント・コントロールユニット CU3515PUMP NEWS

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