PumpNews_Jun12_Vol.67
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本格的な夏の到来を感じる季節になりました。グルンドフォスポンプ株式会社の第1四半期の結果は上々でした。収益成長率は10%という素晴らしい数字で、早々に上半期の目標に迫っています。成長を支える主軸は工作機械業界向けの売上ですが、建築設備業界なども健全な成長を見せています。ただ依然としてヨーロッパの景況は芳しくなく、日本においても夏の電力需給が不安定であることを考えると、楽観はできません。全員が気を引き締め、一歩一歩着実に前に進む必要があります。グルンドフォスポンプ株式会社では、東日本大震災の復興支援活動も継続しています。震災から1年以上が経過しましたが、被災地における生活や経済状況には、まだまだ課題が山積みです。震災発生以来、デンマーク大使館や在日デンマーク企業が被災地への復興活動をサポートしてきましたが、 先日それが大きく前進しました。5月1日、大使館を代表として、複数のデンマーク企業が復興に関するコンソーシアム(共同事業体)を結成したのです。グルンドフォスポンプ株式会社は筆頭署名者です。今後は新たなメンバー企業を誘致しながら、互いに協力して製品やサービスを提供し、復興のサポートを行う予定です。私たちが私企業である以上、利益はもちろん意識していますが、目的はそれだけではありません。グルンドフォスポンプ株式会社が日本での活動を始めてもうすぐ40年。その間、日本の皆様と築いてきた信頼関係は、私たちの何よりの財産です。この活動を通じ、少しでも被災地の再建に貢献できればと願っています。Message from the Presidentグルンドフォスポンプ株式会社代表取締役社長ピーター・ビストラップ震災復興支援に新たな一歩ただ、ヨーロッパ諸国はまだ低迷しており、楽観視はできません。現在のグループ売上の多くは、BRICsやトルコ、ウクライナ、東南アジアや南アフリカなどでの売上増加によるものです。ビヤオは、今後の経営戦略についてこう語ります。「新しい生産ラインや工場の開発に積極的に臨むとともに、水処理分野でのビジネス拡大を予定しています。また環境に配慮したビジネスについても、引き続き模索を続けていきます。2008年にグルンドフォスグループが自ら定めた、2008年比でCO2排出量を増量しないという取り組みは今後も継続し、環境活動の評価も持続します。製品へのカーボンフットプリントの実施も検討しています。全員で一丸となって、2012年にはさらなる高みにのぼりましょう!」※1DKK(デンマーククローネ)=13.5円で計算(2012年5月現在)自動車メーカーがグルンドフォスを選ぶ理由として、グループ本社のプロジェクトセールスマネージャー、ヤコブ・ラブンは、「質」と「高効率」が重要だと説明します。「設備に不備があってラインが止まってしまうと、わずかな時間であってもその損失は莫大なものとなります。安定して稼働する高品質なポンプソリューションこそが、彼らが強く求めるものです」またエネルギー効率については、「エネルギー価格が上がっている今だからこそ、需要が大きい」とラブン。「特に、ロシア、中国、インド、ブラジルのような国では、自動車メーカーは、人々の購買力を増加しなければなりません。低価格化も手段のひとつ。そのために、製造にかかるトータルコストを抑えることが求められるのです」今後は、エンジンやギアボックス、その他のパーツなどのサブサプライヤーの元でも、グルンドフォスポンプの活躍が見込まれています。グルンドフォスグループの2011年の決算は、前年から大きく躍進しました。純利益は、2010年の196億DKK(2646億円)から8%増加の212億DKK(2862億円)と、史上最高を記録。また2010年末に22億DKK(297億円)だったグループの有利子純資産は、28億DKK(378億円)です。自己資本比率は59.9%から63%に改善し、3年前と比較すると50億DKK(675億円)も成長したことになります。こうした結果を受け、会長のカーステン・ビヤオはこう語っています。「 “グリーン”と“サスティナブル・ソリューション”にフォーカスしてビジネスを推進したことが、成長の基盤になりました。献身的に努力してくれた社員たち一人ひとりに感謝しています」事業の成長は、今後の競争力を担うR&D(研究開発)部門への投資に直接反映され、R&Dのコストは13 %増加しました。日産自動車株式会社のロシアにおける製造拠点、日産ロシア製造会社の工場において、グルンドフォスがポンプソリューションのメインサプライヤーに選ばれました。日産ロシア製造会社は、ロシア有数の世界都市であるサンクトペテルブルグにあります。工場では、ティアナ、エクストレイル、ムラーノが、あわせて年間5万台生産されています。工場の最高責任者、ドミトリー・ミハイロフは「工場で使用されているすべての機器は、国際基準の効率と信頼性に適合しています。その基準に沿って、グルンドフォスポンプを選択しました」と話します。グルンドフォス・ロシアのエリア・セールスマネージャー、アレキサンダー・ドゥドゥノフによると、自動車メーカーに対する売上は、ここ数年で年間50~80%の伸びを見せています。主なクライアントは、日産自動車、フォード・モーター、トヨタ自動車、ゼネラルモーターズ、現代自動車、フォルクスワーゲンなどです。2011年度決算は史上最高を記録グルンドフォスポンプがロシアの日産工場で活躍海外NEWS海外NEWSPUMP NEWS2

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