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も背を押され、年々増加しているという需要に対し、霧島酒造ではこれまで本社工場(1963年落成)、志比田工場(1986年落成)、そして志比田増設工場(2006年落成)の3工場で生産に対応してきました。しかし長く稼働している工場の老朽化が進み、メンテナンスの必要性が浮上。生産量をキープするため、2011年11月、新たに本社増設工場が竣工しました。いずれの工場でも、グルンドフォスポンプが活躍しています。「初めてグルンドフォス製品が導入されたのは、本社工場です」と言うのは、本社増設工場の立ち上げに際し、設備面を担当した櫻井斉さん。「生産量の増加に対応して製造能力を増設する過程で、給水ユニットとして省スペースで効率の高い、立形多段うず巻ポンプCRNが導入されたと聞いています」その後志比田工場で給水ユニット4、志比田増設工場でも同様に2ユニットが導入。本社増設工場の給水設備でも、給水ユニットと給湯ユニットが活躍しています。今回、新工場へのグルンドフォス製品の導入を決めた理由を、櫻井さんは「信頼性とメンテナンス性。この2点に確信があったことです」と言います。他の3工場においても生産設備に携わっていた櫻井さん。「ラインを止めないというのは、焼酎づくりにおける第一の命題。グルンドフォスの製品はどれも、これまで故障もなく安定して稼働してくれています。前任者の先輩たちも太鼓判を押していましたし、採用に迷いはありませんでした」また工場稼働後、櫻井さんの後任として設備メンテナンスを担当する外山陽介さんもこう言います。「実際にこれまで製造の現場で働く中で、グルンドフォスの信頼性については確信を持つようになりました。またメカニカルシールの交換が自分たちででき、定期メンテナンスがしやすいというのも大きなポイントだと思います」工場では地場の豊富な水資源を活かし、焼酎の仕込み水をはじめ、設備可動に必要な水はすべて井戸からくみ上げています。ここで活躍しているのがグルンドフォスの深井戸水中ポンプSP。1日に必要とされる約800トンの水を、すべて2台のSPでまかなっています。また、この中から約100tの水を再利用しています。焼酎の成長を 支える設備「焼酎は生き物です。麹を作り、酵母を生育しながら熟成していきますから、例え私たちが倍の時間働いたからと言って、倍の量ができるわけではありません。私たちにできるのは、生育に必要な環境を整え、焼酎が自ら育つ手伝いをするだけなんです」と櫻井さん。焼酎の製造工程は、大きく4つに分けられます。蒸した米に焼酎用の麹菌を植えつけて繁殖させ、麹をつくる「製麹」(せいきく)、麹に水と酵母を加えて発酵させる「一次仕込み」、そして一次仕込みでつくられた酒母(しゅぼ)に芋を加え、さらに発酵させる「二次仕込み」。その後ようやく、焼酎の原酒を取り出す「蒸留」へと進み、熟成期間を経て完成となります。原料となる水や芋、もろみの出来など、焼酎の味と香りを形づくる様々な要素の中で、何よりも重要なのが温度管理です。酵母の生育やもろみの発酵は温度の影響を受けやすく、季節や天候を考慮しつつ最適な温度を保つには、作り手の技術とともに設備の安定稼働が不可欠です。櫻井さんが、グルンドフォス製品を選ぶ決め手として安定稼働の信頼性を一番に挙げた理由が、ここにありました。環境への先進的な取り組み日本酒に代表される醸造酒と比べ、蒸留酒である焼酎は製造の過程(蒸留)で多大なエネルギーを必要とします。蒸留とは、アルコール発酵が終わったもろみを釜の中で沸騰させ、アルコール、香り、まるみを抽出して冷やし、凝縮して得られる焼酎の原酒をつくりだす工程です。蒸気を使って沸騰させ、その後管に通した水を使って冷却する――加熱と冷却を連続して行うために、多くのエネルギーを使用するのです。そこで霧島酒造では、この工程で得られる“副産物”を再利用するためのシステムづくりを進めています。副産物とは、蒸留で冷却に使用される水。グルンドフォスの給湯ユニットによって霧島酒造株式会社生産本部 製造部 主任外山 陽介さん霧島酒造株式会社生産本部 製造部 主任櫻井 斉さんPROJECT納入先: 霧島酒造株式会社 本社増設工場導入製品:立形多段うず巻ポンプ CRNシリーズ 4台 給水ユニット 2 深井戸用水中ポンプ SPシリーズ2台CRNを活用した給水ユニット。洗浄や暖房など、さまざまな用途に向けて工場各所に水を巡らせている5PUMP NEWS

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