PumpNews_Mar11_Vol.65
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Being responsible is our foundationThinking ahead makes it possibleInnovation is the essenceDENMARK STORY2011年10月、世界初となる「脂肪税」がデンマークで施行されました。対象は、バターやチーズ、牛乳などの乳製品のほか、肉類、食用油、加工食品など、飽和脂肪酸が2.3%以上含まれる食品です。課される税金は、飽和脂肪酸1kg当たり16クローネ(約220円)。非常にユニークな税制として、国内外で話題を呼んでいます。導入の背景にあるのは、増加している肥満人口や、高コレステロールによる健康被害などの問題です。飽和脂肪酸を摂りすぎると、動脈硬化などを引き起こす悪玉コレステロールが増加すると言われています。デンマーク食料経済研究院は「飽和脂肪酸の摂りすぎで国民の4%が早死にしている」と分析。これらを背景に、政府は「国民の健康を守るため、課税によって肥満の原因となる食品の消費を減らし、平均寿命を延ばす」と発表しています。ただ、反応はさまざまです。政府を肯定するポジティブな意見のほか、科学者からは「肥満抑制が目的なら、飽和脂肪酸ではなく白米や小麦粉などの炭水化物を規制すべき」という意見も。また、税金は自国の製品だけでなく輸入製品にもかかるため、今後は貿易摩擦を引き起こすのではないかといった懸念もささやかれています。当然ながら食品業界の反発は強く、「政府の“理由”は建前で、実質は単なる増税策なのでは」という疑問の声もあります。世界的に不況が続く中、昨今のデンマークの経済状況は芳しくありません。リーマンショックが起きた2008年後半に政府財政は赤字となり、2010年には、政府債務残高(国および地方)が対GDP比43.3%まで増加。現在、デンマークは2013年を目処として集中財政再建に取り組んでいる最中なのです。とは言え、デンマークだけでなく世界各国で肥満の増加や子どもたちの食事の偏りが問題となっているのも事実。今後が注目される脂肪税ですが、毎日の食事や肥満・健康問題を見つめ直すひとつのきっかけになるかもしれません。健康増進に効果あり?デンマークで世界初の脂肪税が導入www.grundfos.jp※ お問合せは下記弊社営業拠点、もしくは取扱い販売店までお願いいたします。

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