PumpNews_Oct11_Vol.64
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CASE STUDYSQフレックスシステムで災害対策と子どもたちへの環境教育を太平洋に面し、宮城県中部に位置する東松島市は、3月11日の大地震と津波に襲われるまで、日本三景の松島の一角を占める風光明媚な土地として知られていました。市の復興への歩みを、グルンドフォスは排水用ポンプの寄付などを通して支援しています。5月にはSQフレックスシステムを寄贈。8月末に設置が完了し、引渡式が行われました。太平洋の豊かな恵みを得て、海苔や牡蠣の養殖漁業が盛んに行われていた東松島市。3月11日の大地震とその後の津波はこの主要産業に壊滅的な被害をもたらしました。市街地の被害も深刻です。浸水被害は全被災自治体の中でも3番目にひどく、市内に居住するおよそ96%もの家屋が流出をはじめとする被害を受けました。「最も大きな被害は、多くの人命が失われたことです」当時を振り返り、静かに口を開くのは阿部秀保市長です。本稿の取材が行われた8月31日現在、同市の死者は1,044名に上り、98名が行方不明のままです。人命救助、避難者の収容、食料の確保など、次々に生じる課題に追われていた日々から半年あまりが過ぎた今、阿部市長が未来に向かって見つめているのは「いのちを守る街づくり」です。災害時にも安心できるシステム震災後、デンマーク大使に続いてデンマーク皇太子が東松島市を慰問しました。大使と皇太子から始まった復興支援活動はデンマーク企業と東松島市の間に友好の芽を育み、その輪は少しずつ広がっています。グルンドフォスポンプ株式会社も、震災後間もなく海水の汲み取りに使用する排水用ポンプを寄贈しました。そして5月、太陽光エネルギーに対応した給水システム、SQフレックスシステムの寄贈を提案。市はこの提案を受け入れ、8月31日に設置先である東松島市図書館にて引渡式が行われました。SQフレックスシステムは、SQF水中ポンプとソーラーパネル、コントロールユニットがセットになった、太陽光エネルギーによる稼働が可能な給水システムです。公園等の噴水や灌漑、発展途上国の村落給水などに数多くの実績を持ち、災害対策としても信頼を寄せられています。東松島市では震災発生時から電気や水、ガスなどのライフラインが途絶し、それは2週間以上続きました。救援体制が整うまでは水や食料が届かず、溜めてあった水を1日1センチと決めて分け合った避東松島市図書館PUMP NEWS6

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