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「使う芝」としてのスポーツターフ常緑のフィールドを安定性と省エネで守るノエビアスタジアム神戸PROJECT導入製品: 自動給水ユニットHydro MPC、立形単段うず巻ポンプTP(地熱コントロールシステム)用途: スタジアム インフィールド散水場所: 兵庫県静岡県静岡市清水区に拠点を構え、造園業・芝生の維持管理を主とする株式会社グリーンマスターズ清水は、天然芝ピッチの設計・施工から維持管理まで幅広い業務を行なっています。同社が転機を迎えたのは、2002年のワールドカップ(以下W杯)のこと。この頃出会ったのが、TOROのイリゲーションシステムでした。採択の理由は、その均一性。芝は水が均一に巻かれることで均一に成長していきます。国際試合などを行うサッカーフィールドの面積は平均的に9,000m2程あり、フィールドの外から水を均一に撒くことは論理的にも無理があります。また外から撒くシステムは、大きなものだと1分間に800ℓもの水を撒いてしまいますが、一つのフィールドに約6基の装置を設置するインフィールドのスプリンクラーは1台が1分間に約50ℓ、半径約17mの散水ができ、しかもピンポイントでも必要な量だけを撒けます。大量に散水する必要がないため、ポンプも小さめのもので稼働できます。なによりスタジアムの特性ごとに、また担当グリーンキーパーのプランに合わせた設計ができるのです。ホームのフィールドコンディションは 均一性のある散水と芝管理で決まるノエビアスタジアム神戸も、W杯開催時に設立された球技専用のスタジアム。2017年の芝の改修工事でハイブリッド芝*の導入が決定されます。その工期はわずか半年。幸運なことに、ドームのため雨の心配はありませんでした。しかし地温コントロールシステムが導入されていたため(この設備にはグルンドフォスのTP型が採用)、配管が20cm間隔で設置されていたのです。それを縫ってスプリンクラーを敷設し、電磁弁と装置を設置しなければなりませんでした。図面上では既存配管を避けられても、現場では違っていることも多々あり、その都度プランは練り直しに。配管が長くなることは、予定の散水量のために想定以上の送水圧力が必要だということです。ポンプも余力のある設定・大きさのポンプが必要となります。そこで2次側負荷の変動に対し、インバータ制御で最適な圧力・流量を供給するHydro MPCが採用されました。グルンドフォスのポンプには安定力と効率、既設の他社ポンプにはない立形という優位性があり、振動も少ないため耐久性でも能力を発揮すると判断されました。ホームスタジアムと呼ばれるサッカースタジアムでは、基本的な芝生の維持管理に加え、チームの試合日程や戦略に則ったピッチの管理ができなければなりません。グリーンキーパーは、そこまで考えて散水管理しているといいます。その一助となるべく、グルンドフォスのポンプは、次の試合へ向け安定的な散水のために働き続けます。✽ハイブリッドとは、天然芝に一部人工芝を挿入した敷設方法。試合戦略でも散水プランは変わる。要望に力強く対応する加圧給水ユニット芝生の敷設前、床砂の水極め(砂の締め固め)時に散水範囲と均一性を確認Grundfos Case Study Book10散水

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