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3.1.3 例:流量を20%低下させた場合の相対的消費電力あるポンプシステムで、流量をQ=60m3/hから50m3/hに減少させるとします。最初のQ=60m3/h、H=70mのときのポンプの入力電力を100%とします。 消費電力の減少量は、ポンプの性能調整法により異なります。ここで、消費電力がポンプの性能調整法にどのような影響を与えるかについて検討しましょう。 絞り弁による調整流量が減少すると、消費電力は約94%に減少します。絞り弁を使用すると揚程が増加します。図3.1.5を参照してください。ポンプによっては、消費電力は流量が最大値より低いところで最大になります。このことは、消費電力の増加は絞り弁が原因ということを表わします。H [m]Q [m3/h]QP276100%94%70555060H [m]Q [m3/h]Q [m3/h]QP2P270100%100%67%110%555060506081H [m]H [m]Q7055= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点図3.1.5:相対的消費電力 - 絞り弁による調整バイパス弁による調整ポンプシステムの流量を減少させるためには、バイパス弁によりポンプの揚程を55mに減少させる必要があります。これを行なうには、ポンプの流量を増加させる以外に方法はありません。従って、図3.1.6から分かるように、ポンプの流量が81m3/hに増加され、消費電力は最初より10%増加しています。この増加率はポンプの種類と運転点に依存しています。そのため場合によっては、P2の増加はゼロに等しくなり、非常に稀な例としてはP2が若干低下することもあります。H [m]Q [m3/h]QP276100%94%70555060H [m]Q [m3/h]QP270100%110%55506081H [m]= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点図3.1.6:相対的消費電力 - バイパス弁による調整インペラの直径を変えることによる調整インペラの直径を縮小させると、ポンプの流量と揚程の両方が低下します。流量が20%減少すると消費電力は最初の67%前後にまで減少します。図3.1.7を参照してください。Q [m3/h]Q [m3/h]Q [m3/h]QP2P2P270100%100%100%67%65%110%5550605060506081H [m]H [m]QQ70557055Q= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点図3.1.7:相対的消費電力 - インペラの直径を変えることによる調整ポンプの回転数による調整ポンプの回転数を抑えると、流量と揚程の両方が低下します。図3.1.8を参照してください。その結果、消費電力は最初の65%前後にまで減少します。H [m]Q [m3/h]Q [m3/h]Q [m3/h]QP2P2P270100%100%100%67%65%110%5550605060506081H [m]H [m]QQ70557055Q= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点= 変更された運転点= 元の運転点図3.1.8:相対的消費電力 - ポンプの回転数による調整ポンプの効率を最大限に上げようとする場合は、インペラの直径を変えるかポンプの回転数によりポンプシステムの流量を減少させるのが最適な方法です。ポンプの運転点変更後、その後の運転点が固定されて使用される場合は、インペラの直径を変えるのが最良の方法です。ただし、必要流量が変化するポンプシステムではポンプの回転数を変えるのが最良の方法です。436Chapter 3 ポンプ性能の調整Section 3.1 ポンプ性能の調整

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