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Section 2.2 ポンプの直列接続と並列接続ポンプシステムの性能を上げるために、ポンプを直列または並列に接続する場合がよくあります。この項ではポンプの2種類の接続方法について説明します。2.2.1 ポンプの並列接続ポンプの並列接続は次のような場合に使用します。• 所要流量が大きく、1台のポンプでは能力が不足している場合。• ポンプシステムの所要流量が一定でない場合で、並列接続したポンプを切り換えることで流量を変えて供給する場合。通常、ポンプを並列接続する場合は同じ種類で同じサイズのポンプを使用します。ただし、ポンプは異なったサイズのものを使用したり、1台または複数のポンプを速度制御式のものにしてそれにより流量を変えて供給することもできます。ポンプを並列接続する場合、稼動していないポンプを通って揚液が循環しないようにするために、各ポンプには逆止弁が直列に取り付けられます。数台のポンプを並列接続したポンプシステムの総合性能は、特定の揚程でポンプが供給する流量を加算して求めます。図2.2.1は2台の同じポンプを並列に接続したポンプシステムを示しています。このポンプシステムの総合性能曲線は、すべての揚程についてQ 1とQ 2を加算することで求めることができます。この場合、両方のポンプの揚程は同じでH 1 = H 2となります。これらは同じポンプのため、総合のポンプ性能曲線の最大揚程Hmaxは同じ値ですが、最大流量Qmaxは2倍になります。各揚程について、総合の流量は1台のポンプを運転する場合の2倍になります。Q = Q 1 + Q 2 = 2 Q 1 = 2 Q 2図2.2.1:同じ性能のポンプ2台を並列接続した場合図2.2.2はサイズの異なる2台のポンプを並列に接続した場合を示しています。特定の揚程H 1 = H 2についてQ 1とQ 2を加算すると総合の性能曲線が決まります。図2.2.2のグレー部は、P1の最大揚程の方がP2より高いため、この斜線部内ではP1のポンプしか給水していないことを示しています。グレー部内ではP1のポンプしか給水していません。ポンプシステムの特性図2.2.2:性能の異なる2台のポンプを並列接続した場合432Chapter 2 ポンプシステムの基礎Section 2.2 ポンプの直列接続と並列接続

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