98726366_02
429/476

Chapter 2 ポンプシステムの基礎Section 2.1 ポンプシステムの特性2.1.1 ポンプシステムの抵抗ポンプシステム内のすべての構成部分は揚液に対して抵抗となり、ポンプシステム内の個々の構成部分すべてにおいて損失水頭を発生させます。次の式は損失水頭ΔHの計算に使用されます。∆H = k ・ Q2ここでkは個々の構成部分により異なる係数で、Qはその部分を通る流量です。この式から分かるように、損失水頭は流量の二乗に比例しています。そのため、ポンプシステムの流量を下げることができれば、圧力損失を大幅に下げることができます。直列接続の抵抗いくつかの構成部品を直列に接続したポンプシステム内の全損失水頭は、個々の部分による損失水頭の和になります。図2.1.1はバルブと熱交換器で構成されているポンプシステムを示しています。これら2個の部分の間の配管内の損失水頭を考慮しない場合は、全損失水頭ΔH totはこれら2個の部分の損失水頭を加算することで求めることができます。∆Htot = ∆H1 + ∆H2さらに図2.1.1は、このポンプシステムがこれら2つの部分のみで構成されているクローズシステムの場合の総合の性能曲線と運転点を示しています。この図から分かるように、この総合特性は、特定の流量Qにおける個々の損失水頭ΔHを加算することにより求められます。またこの図は、ポンプシステム内の抵抗が増加すると総合の性能曲線の傾斜がきつくなることも示しています。バルブバルブ熱交換器熱交換器ポンプ総合特性図2.1.1:直列接続した2個の構成部分の損失水頭は、個々の部分の損失水頭の和になります。並列接続の抵抗抵抗が並列接続されている場合は、直列接続の場合に比べてポンプシステムの性能曲線が平坦になります。これは、構成部分を並列に接続するとポンプシステムの総合の抵抗が減少し、それにより損失水頭も減少するからです。並列に接続した各構成部分の両端の差圧は常時等しくなります。その結果、ポンプシステムの総合の特性は、特定のΔHについてすべての構成部分の個々の流量を加算することで決まります。図2.1.2はバルブと熱交換器を並列に接続したポンプシステムとその特性を示しています。この場合、総合の流量は、ΔHに等しい損失水頭について次の式により求めることができます。Q tot = Q 1 + Q 2バルブバルブ熱交換器熱交換器総合特性ポンプ図2.1.2:構成部分を並列に接続するとポンプシステム内の抵抗を減少させ、性能曲線をより平坦にすることができます。TP/TPENBG/NBGEPACOUPS/MAGNACR(N)/ CR(N)EHydro MPCSP A/SPDDA/DDE/DDCポンプ参考資料サービス429Chapter 2 ポンプシステムの基礎Section 2.1 ポンプシステムの特性

元のページ  ../index.html#429

このブックを見る