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1. 概 要滅菌の基礎多くの病気は飲料水を通じて感染します。飲料水で感染する病気には発疹チフス、パラチフス、コレラ、嘔吐を伴う下痢、さらには肝炎や小児麻痺などのウィルス性感染症があります。シャワーやお風呂のお湯にレジオネラ菌が含まれていると、肺疾患につながる恐れがあります。化学物質で汚染された水への暴露では毒性値がゆっくり上昇するのに比べ、飲料水が汚染されるとその水が供給される地域一体に住む住人が直ちに感染します。このような伝染病を予防する最適な方法は微生物学的に清浄な汚染されていない水、例えば地下水などを飲料水として使用することです。残念なことに、一部の地域では水理地質学的な理由から、あるいはそのような水が十分に確保できないためその実現は不可能です。これらの地域では一般に地表水を使用しており、この目的で地表水を浄化する必要が生じています。発生し得る病原菌は、特定の物質を水に添加すること、つまり水を滅菌することで水から除去する、または殺菌することができます。塩素での滅菌飲料水の処理に最も広く使用されている滅菌剤は塩素で、塩素は様々な方法で適用することが可能です。過去の経験から、水を塩素化することは細菌学的に見て飲料水を滅菌する非常に安全な方法であることが分かっています。事実、飲料水の消毒に向けた塩素の使用は75年以上前から行われています。長年の経験から、塩素化を正しく行えば急性中毒が予防できることが分かっています。塩素の消毒作用は、塩素を水に溶かすと次の式に基づいて次亜塩素酸(HClO)が生成されることに基づいています。Cl2 + H2O ⇔ HCl + HClO塩素の消毒作用はpH値によって大きく左右されます。pH値が7.5未満である場合に最適な効果が得られます。一般に、飲料水の塩素化や水の処理には次の3つの方法が用いられます:• 塩素ガスの注入• 次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウム液の注入• 電解塩素の生成中でも第三の方法には多くの利点があり、Selcoperm塩素電気分解システムではこの方法を採用しています。100100808060604040202000123456789HCIOCl2ClO% HCIO% Cl2pH図 1 pH値に依存した次亜塩素酸の解離TM04 1537 1010Selcoperm電気分解の原理電気分解では、電気によって食塩水から塩素が直接生成されます。+-NaClH2OCathodeNaOHH+Na+H2ONaClOH+Cl-Cl2NaClOH2NaClOsolutionAnode図 2 Selcoperm電気分解の原理TM04 1538 1010電解槽では次の反応が生じます:2NaCl + 2H2O → 2NaOH + Cl2 + H2生成された塩素が同時に生成される苛性ソーダ液と直ちに反応し、次のように次亜塩素酸水溶液が生成されます:Cl2 + 2NaOH ⇔ NaCl + NaClO + H2Oこの水溶液のpH値は8.5~9.5で、最大等価塩素濃度は6~7g/ℓです。この液の半減期は数ヶ月なので、バッファータンクでの貯蔵に適しています。31概 要Selcoperm SES概 要

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