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図3.4.5から分かるように、このポンプの最小の性能は全回転数の57%前後です。循環系では、暖房システムの夜間運転等、状況によっては最小の曲線(全速の25%時)での運転が適切な場合があります。H [m]4812162024024681012Q [m3/h]Q [m3/h]14161.20.80.40P1 [kW]60%70%80%90%99%100%25%50%図3.4.5:クローズシステム回転数調整式ポンプの特性オープンシステムの回転数調整式ポンプこの場合、ポンプの運転範囲だけでなくポンプシステムの特性もそのポンプシステムの種類により異なります。図3.4.6は、昇圧/給水システムのポンプを示しています。このポンプは、ポンプよりh=20m上に設置されている蛇口にQ=6.5m3/hの流量を供給する必要があります。ポンプの吸込圧力(ps)は1バール、蛇口での圧力(pt)は2バールで、ポンプシステムの全流量(pf)時の総摩擦損失は1.3バールです。pt = 2 バールh = 20mpf = 1.3 バールps = 1 バールQ = 6.5m3/hH図3.4.6:給水システムのポンプの特性pt : 蛇口での水圧ps : 押込圧力pf : 摩擦損失(6.5m3/hの時)Q : 流量h : 静水頭998 . 9.81Hmax = Ho + = 30.2 + = 43.5 mpfρ . g1.3 . 105pt - psρ . g998 . 9.81Ho = h + = 20 + = 30.2 m(2-1) . 105図3.4.7は、前述の条件を満たすことができるポンプのQH性能曲線を示しています。前述の式を使用すると、流量ゼロ時の必要水頭(Ho)を求めることができます。H [m]6050402010012345678Q [m3/h]Q [m3/h]1.20.80.40P1 [kW]90%80%70%60%50%25%100%HO図3.4.7:オープンシステムの回転数調整式ポンプの特性また、流量(Q)=6.5m3/h時の最大水頭を求めるときは以下の式を使用します。998 . 9.81Hmax = Ho + = 30.2 + = 43.5 mpfρ . g1.3 . 105pt - psρ . g998 . 9.81Ho = h + = 20 + = 30.2 m(2-1) . 105流量ゼロから最大流量6.5m3/hで上記の条件を満たす場合、ポンプの回転数の範囲は、全速の約65%から最大99%と比較的狭くなります。ポンプシステムの摩擦損失が少なくなるほど、回転数変動幅も小さくなります。摩擦損失がゼロの場合は、上記の場合の最小回転数は79%です。前述の2例から分かるように、回転数と消費電力の変動可能な幅はクローズシステムのほうが高くなります。従って、クローズシステムのほうがエネルギーの節約の可能性が高くなります。496Chapter 3 ポンプ性能の調整Section 3.4 周波数変換器内蔵ポンプの利点

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