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揚程が正のオープンシステム図2.1.5は、揚程が正のオープンシステムを示しています。この場合ポンプは水を地表面にある貯水槽から建物の屋上にある貯水槽へ搬送する必要があります。このポンプはまず第一に、水の水頭(h)より高い揚水能力を持つ必要があります。次にこのポンプは、上下の水槽の間にある配管、接続具、バルブ等の総合の摩擦損失(H f)に打ち勝つ必要があります。この場合の圧力損失は流量に依存します。図2.1.6を参照してください。QQ1屋上の水槽地表の水槽ポンプ総合特性図2.1.6:図2.1.5のオープンシステムの性能曲線とポンプの性能曲線この図は、オープンシステムではポンプの最大揚程(Hmax)が水頭(h)より低い場合は、水が流れないことを示しています。H > hの場合は、水は地表の水槽から屋上の水槽へ流れ始めます。このポンプシステムの性能曲線は、流量が低くなると摩擦損失(H f)も低くなり、その結果ポンプの消費電力が低くなることを示しています。流量(Q 1)とポンプのサイズは個々のポンプシステムの要求に合わせる必要があります。液体を搬送するポンプシステムでは経験的に、流量が大きくなると圧力損失が高くなり、流量が減ると圧力損失が小さくなるため、エネルギーの消費量も低くなります。揚程が負のオープンシステム実揚程が負のオープンシステムの代表例には、給水システム等で使用される昇圧システムがあります。この場合は、ポンプが働いていなくても水槽からの揚程(h)により水が流れて消費者へ給水されます。水槽内の水位と水の出口の高さの差により、Q 0に相当する流量が発生します。ただし、この揚程では消費者への所要の給水量(Q 1)を確保するには不十分です。そのため、ポンプは水頭を昇圧してポンプシステム内の摩擦損失(H f)を補償する必要があります。図2.1.7はこのオープンシステムを示しており、図2.1.8はポンプシステムの特性とポンプの性能曲線を示しています。水槽ポンプ水槽内の水位が減少した場合のポンプシステムの特性総合特性図2.1.7:揚程が負のオープンシステム水槽ポンプ水槽内の水位が減少した場合のポンプシステムの特性総合特性図2.1.8:図2.1.7のオープンシステムの性能曲線とポンプの性能曲線このポンプシステムの総合性能曲線は、H軸の点(0,-h)で始まる放物線になります。このポンプシステムの流量は水槽内の水位に依存します。水位を下げると高さ(h)が減少します。その結果、ポンプシステムの特性が変わり、ポンプシステム内の流量が減少します。図2.1.8を参照してください。TP/TPENBG/NBGEPACOUPS/MAGNACR(N)/ CR(N)EマルチリフトHydro MPCSP A/SPDDA/DDE/DDCポンプ参考資料サービス483Chapter 2 ポンプシステムの基礎Section 2.1 ポンプシステムの特性

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