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2.1.2 クローズシステムとオープンシステムポンプシステムは基本的にクローズシステムとオープンシステムの2つの種類に分類することができます。この項では、これらのポンプシステムの基本的な特性について説明します。クローズシステム一般的にクローズシステムは、暖房システム、空調システム、プロセス冷却システム等で熱エネルギーを搬送するポンプシステムです。これらのクローズシステムには、液体を循環させてそれによりエネルギーを搬送するという共通の特長があります。この場合、ポンプシステムが搬送するのは熱エネルギーということになります。クローズシステムには、そのポンプは構成部分のすべてが発生する摩擦損失にのみ打ち勝てばよいという特長があります。図2.1.3は、ポンプが加熱装置からバルブを通して熱交換器に水を循環させるクローズシステムの概念図を示しています。バルブ熱交換器加熱装置ポンプ総合特性図2.1.3:クローズシステムの概念図これらの構成部分と配管およびフィッティングなどの構成部品全体のポンプシステムの特性は図2.1.4のようになります。(ポンプシステムの性能曲線が描く)クローズシステム内の所要圧力曲線は(Q,H)=(0,0)から始まる放物線となり、以下の式で計算されます。H = k ・ Q 2この曲線と式から分かるように、流量が低下すると圧力損失はゼロに近づいてゆきます。バルブ熱交換器加熱装置ポンプ総合特性図2.1.4:クローズシステムの性能曲線は、点(0,0)から始まる放物線となります。オープンシステムオープンシステムは、給水、潅漑、工業プロセス等、ポンプを使用して液体を一カ所から他の場所へ搬送するポンプシステムです。オープンシステムでは、ポンプは液体の水頭と配管およびポンプシステムの構成部分内で発生する摩擦損失の両方に対処する必要があります。オープンシステムは次の2種類に分類されます。• 実揚程が正のオープンシステム• 実揚程が負のオープンシステムQQ1屋上の水槽地表の水槽ポンプ総合特性図2.1.5:正の揚程のオープンシステム482Chapter 2 ポンプシステムの基礎Section 2.1 ポンプシステムの特性

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