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Section 1.3 電動機1.3.1 電動機の起動電動機の起動方法には、直入れ起動法、スター/デルタ起動法、リアクトル起動法、ソフトスタータ起動法、周波数変換器(インバータ)起動法があります。これらの起動方法にはそれぞれに利点や欠点があります。図1.3.1を参照してください。図1.3.1:電動機起動法起動法直入れ起動法(DOL)簡単でコスト効果に優れ、安全な起動法。最大起動電流値が高い。スター結線からデルタ結線に切り換えるときに電流がパルス状になってしまう。負荷の慣性が低い場合は不適当。最小起動トルクが低い。スター/デルタ(Y/∆)起動法(SD)起動時の電流が1/3になる。リアクトル起動法最大起動電流およびトルクが低い。低下電圧から全電圧に切り換えるときに電流がパルス状になってしまう。最小起動トルクが低い。ソフトスタータ起動法起動が「ソフト」。電流がパルス状にならない。ポンプ起動時の水撃作用が少ない。最大起動電流が低く、必要に応じて2~3分の1にできる。最小起動トルクが低い。周波数変換器起動法電流がパルス状にならない。ポンプ起動時の水撃作用が少ない。最大起動電流が低く、必要に応じ2~3分の1にできる。電動機に連続給電するのに用いられる。最小起動トルクが低い。高価利点欠点直入れ起動法(DOL)この起動法はその名の通り、電動機を定格電圧の電源に直結して起動する方法です。この方法は、ポンプ等供給量が安定していて、軸系が機械的に頑強で正確な寸法で作られている場合に適しています。この起動法を使用する場合は、必ず地元電力会社に相談してください。スター/デルタ起動法この方法は三相誘導電動機の起動電流を低減するために使用します。起動時はステータ巻線をスター(Y)結線にし、起動後回転数が上昇してきたらデルタ(Δ)結線に切り換えます。リアクトル起動法この方法はその名の示す通り、オートトランスを使用した起動法です。起動時はオートトランスを電動機に直列接続し、2~4段階で電圧を公称値まで変化させます。ソフトスタータ起動法ソフトスタータとは電動機を滑らかに起動するための装置です。滑らかな起動は、電圧を設定した電圧増加時間に従って増加させることで行なわれます。周波数変換器(インバータ)起動法周波数変換器は電動機に連続して給電するようになっていますが、ソフト起動にも使用できます。478Chapter 1 ポンプと電動機Section 1.3 電動機

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